令和3年4月26日、筑波大学T-PIRC農場では、4月16日に引き続き、農業における就業人口の激減や高齢化対策を見据え、農作業の省力化を目指して、ドローンによる散播と播種機による条播の水稲直播を行いました。
今回は、消毒のみを実施した無催芽籾での湛水(水を張っておく田んぼの管理方法)直播を試みました。湛水直播では通常、苗立ちの安定化の為、催芽籾に多様なコーティングを行いますが、昨年度は、無コーティングで実施した直播試験の解析によって、通常の移植栽培と変わらぬ収量を確認しました。そこで、今年度は、消毒のみを実施した無催芽籾の使用により、催芽時間、播種機のトラブル防止、さらには経費削減を念頭に、全ての省力化を展開して行く方針で計画しました。
今回の直播栽培では、「コシヒカリ」の後継品種として国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構が開発した「にじのきらめき」を選定しました。「にじのきらめき」は、短稈で、耐倒伏性が強く、収量性も良いとの事であり、特に食味は「コシヒカリ」と同等の極良食味と言われています。
当日は、午前中にドローンを使用して散播し、午後には播種機による条播を行いました。今後、生育や収量を比較することで、省力化や大規模農業に適した技術の提案を考えています。前回に引き続きまして、また、今回は作物学の受講生や生物機械工学を学ぶ大学院生・学類生も多数参加し、通常では見られない栽培方法に興味を持って見学していました。
なお今秋には、収穫した「にじのきらめき」を、カスミつくば大学店を通じて販売する予定です。